2015年のアルプス
2015.7.18〜7.26
本年はスピード登山の方向で、ミディからモンブランへの所謂モンブラン三山縦走を、
あわよくばシャモニから日帰りでと目論んでいましたが、結果的には登れませんでした。
結構トレーニングを積んでいったので残念。
今年のフランスは数十年来の猛暑だそうですが、氷雪のコンディションは非常に悪く、
雪やミックスのルートを狙うなら、今後は時期を変えるべきなのか、と考えさせられました。
KL862便でアムステルダムへ、更に KL1933便でジュネーブへ。
ここから車でシャモニ入りしたのが現地時間の20時過ぎだが、街は未だ十分に明るい。
明日以降の天気予報をサラッとチェックして就寝。
7/19 晴れのち雷雨
高度順応目的でミディに上がる。
トンネル内でハーネスやアイゼンを身に着けて、いつもの登山者用出口から雪稜を下降するが、
なんとリッジ上に幾つもの亀裂が走り、過去見たことの無いような雪の悪さ。
今春の白馬主稜や剱の北方稜線を思い出してしまった。
ラシュナルのピークまで足を延ばすが、タキュルの壁からは何度も雪崩＆岩雪崩の音が響いていた。
また、ルート上の斜面は雪が無く氷が露出しており、打ち込んだアックスでビレイしながらの下降となった。
これはおかしいと感じて、シャモニの街に戻ってから、久しぶりの高山事務所を訪ねる。
モンブラン周辺のルートコンディションを尋ねると
「今夏のモンブラン山群は非常にドライで雪が少ない、ノーマルルートは岩雪崩のため先週閉鎖された、
タキュルのクレバス帯はルート上のクレバスが多く、また幅が大きいため越えられない部分がありラダーが掛けられた、
モンモディは雪が無く氷壁化しており下降は非常にテクニカル(私の語学力不足のため聞き取れた箇所のみ)」
との仰せで、一気にテンションが下がる。
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という訳で、安全志向な我々はモンブランへの縦走は中止。本日はタキュルの往復に切換える。
またまたミディの駅からロープを結び、ノンストップでタキュルの急斜面に突入。
ルート上で障害となる大きなクレバスは三つあった。
一つ目と三つ目は細いスノーブリッジを恐る恐る越える。二つ目は段差が大きくラダーが掛かっていた。
細かいクレバスは多数あり、ロープを出さないパーティは勇気あるなあ。
山頂直下の岩場は岩角を用いてセカンドをビレイ。駅スタートから山頂まで、ジャスト3時間でした。
居合わせた他パーティと記念写真を撮りあい、短い休憩の後に下山。
山頂直下の岩場は懸垂。三カ所のクレバスもアックスでビレイ。
昨日のラシュナルの悪さからスクリューとスノーバーを持参したが使わず。ミディのコルまでは1時間もかからずに戻ってきた。
楽々の往復で、本音はモンブランまで行きたかったね〜、と云いつつも先輩は初の4千ｍ峰登頂で、おめでとうございます！
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今日は赤い針峰群でマルチピッチのクライミング。
実践と練習を兼ねて、久し振りのアンデックス針峰へ。
リフト終点からガレ場を登り、途中左側の岩場から入って草付のバンドをトラバースして取付き。
人気ルート故に、既に何パーティも先行していたが、天候が安定しているのは判っているし今日は練習だし、
ということでのんびり行く。
全5ピッチ、終了点以外の中間支点は皆無のため、全てカムと岩角スリングで支点を取りながらのリードとなる。
山頂手前では激しい渋滞の関係でフェースの途中でピッチを切ることとなり、複数のカムでビレイ点作成。
先輩のオールリードでお疲れさまでした。
国内だと、クラックルート以外で5.7程度までのグレードで残置支点の一切無いロングルートなんて無いですからね〜
経験値が上がった！と喜んでいただけました(^^)
山頂からの下降は60ｍ一杯の懸垂で直接ガレ場までを目指すが5ｍほど足らず。
途中の岩角で切って二度の懸垂。リフト最終に若干遅刻しながらも無事下山できました。
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少し疲れてきたので、今日は赤い針峰群のトレッキング。
鋭いピークが多数並んでいて、次はどこを登ろうかと眺めているだけで嬉しくなる。
街の本屋で、次回用に新しいマルチピッチのルート図集を購入。夢が広がるなあ(^^)
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天候不安定だったのでガイアンへ。折角だから被ったルートを探して執拗にトライ。
何となく上から目線だったフランス人が登れなかったハング越え、割と楽にリードできたので少し嬉しかった。
テン台ですけど。
しかし、途中からは良く晴れて暑い！ 小川山よりも暑かったのでは・・・
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早くも最終日。ブレバンに上がってクライミング。
今回も本エリアのマルチピッチには行けませんでしたが、ショートルートと云えども30ｍ近いスケールがあるので充実感あり。
岩も堅く綺麗で、登っていて気分が良い。お互いに5.9〜テン台を数本ずつリード。
トレッキングルート沿いなので見物者多数。次回こそはマルチの大きい壁を登りたい。
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14時のフライトなので昼前にジュネーブ空港へ。
着いてみたところ、なんと予約していたアムステルダムまでのKLM便が欠航だという。
慌てて振替手続きをするが、これが何とエアチャイナで北京経由、しかも21時出発。
巨大なザック3つが一緒なので市街散策にも出られず、空港内でひたすらの読書タイム。
ちなみに私は今回の旅行中に「戊辰戦争」「日清戦争」「重金属の話」「山岳信仰」「海の史劇」を読了。
機内の床が汚い、トイレが壊れている、客室乗務員がニコリともしない、
などなど人生経験をしながらも、CA862便で北京空港、CA421便に乗り継いで26日の21時過ぎに成田着。
何だかんだで山梨に戻ったのが夜中の1時過ぎ。数時間寝てからの出勤がさすがに辛かった。
今回、シャモニでも連日30度越えという暑さで、例年とは勝手が違いましたが、毎日楽しく登山やクライミングが出来ました。
街も山も美しく、そこに居るだけでも十分に楽しい。今回行けなかった方も、次回は是非是非ご一緒しましょう！